それだけ ~先生が好き~


考えると、泣きたくなる。


先生の彼女が亡くなっていることが悲しいんじゃない。


先生が可哀想とか、そういうのじゃない。



ただ、自分が嫌でしょうがない。



いつかの気持ちが蘇ってくる。

自分が酷く不必要に思える。


先生にあんな話させてしまった。


私がいなければ、先生は辛いこと思い出さずに済んだのに・・・

そんなことばかりを考えていると、時間は過ぎていく。



時々、窓から下を見ると、落ちていきそうになる。

ここまで上がってこれたのは先生がいたから。


だけど

だけど・・・


その先生に、必要がないと突き放されたら?

私には先生が必要だけど、先生には私がいなくてもきっと大丈夫。


もう家族のことは解決した。

なら、いつ突き放されても文句は言えない。


だけど、きっと優しいからそんなことしない。



それが悔しかった。




先生は自分の気持ちを押し殺して、私に気持ちを伝えてくれたのかな。



すぐ不安になる私の為に?



本当に、『好き』だったの?




先生を好きな私の為についた嘘だったのかな・・・





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