それだけ ~先生が好き~
体育館の裏の日陰に座ってみた。
地面のひんやりした感触がした。
何をやっているんだろう。
先生は何を聞いても怒らないし、嫌いにもならないのに。
私の妄想がそうさせる。
改めて頭の中で整理をしようと、昨日のこと、今までのことひとつひとつ思い出してみた。
一番に浮かぶのは、先生が私の震えた声の号令に気づいて心配してくれたこと。
いつまでも消えないね、この日のことは。
今の汚い心を持った私は、この日のことさえ夢で、嘘に変えてしまいそう。
だけど、ちゃんとあったんだよね。
先生が私を心配してくれた。
それだけで十分なのに話を聞いてくれたんだ。
今まで誰にも言わないで、一人で耐えてきたことを・・・吐き出した。
こんなに心が軽くなるんだって知った。
辛いことがあっても、わかってくれる人がいるって安心できた。
それだけで・・・
本当にそれだけ。
そうだ
それだけだよ