それだけ ~先生が好き~


一時間目の終わりのチャイムが鳴り響く。

いつの間にか歌の練習も終わってた。


ゆっくり立ち上がって、もう一度セーターで顔を拭く。


まだどこのクラスも延長しているよう。


廊下には誰もいない。


静かで涼しい。



タンタン・・・



上から階段を下りる音が大きく聞こえる。







先生・・・かな?


階段を下りる足音だけでわかってしまう私は・・・変態??



予想通り、緑の紙袋を持った先生が下りてきた。

階段の下で立ち尽くす私を見つけた先生は・・・


少し赤い私の目をじっと見て、

耳元で・・・



「放課後、相談室の前で待ってて」



そのまま職員室に入っていった。


一度だけ後ろを振り返って、手を振ってくれた。



好き。



破裂しそうなこの気持ち。




好きだよ。




大好きだよ





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