それだけ ~先生が好き~



窓から吹き込む風が私の赤い頬を冷やす。



先生に会うと、私は決心が揺らぐ。

どんな気持ちよりも、『先生が好き』という気持ちが勝つ。



放課後・・・。



全部素直に話そう。


私の心、全部さらけだそう。





先生が私に嘘をつくはずがない。



『好きだ』



その言葉は本当・・・だよね?



私は先生の隣にいていいの?


一緒に歩いても・・・いいの?







「あ!ゆき!いたいた!!どこ行ってたの?保健室??」


教室に入ると萌が席から立ち上がった。


「ごめん、ちょっと・・・」

「大丈夫?次・・・体育だけど、見学する?」


あ・・・体育??

先生の授業だ。



「体育?大丈夫、出れるよ。それより早く着替えないとね」


ロッカーから体操着を取り出して、すばやく着替えて体育館へ向かう。


今日から、柔道やるんだ。



先生の柔道着姿を見るのが、楽しみだった。



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