それだけ ~先生が好き~



重い話をしてごめん、と涙を浮かべて笑った先生が・・・



私の心をぎゅっとつかんだ。




そんな過去を・・・抱えていたんだね。


先生は、話すことで少し楽になったかな?


今、「鼻水でちゃった」なんて言って鼻をすすって笑ってる先生はホンモノ?



私がいつも・・・助けられたように、先生の力になれたかな・・・。




なんだかまた不安がこみ上げてきた。


ただ辛いだけだったらどうしよう。


思い出させて・・・辛くさせてたら・・・?





「ありがとな、誰かに知っててもらえるって・・・安心するな。一人で抱え込むのって辛いんだよな。聞いてくれてありがと」




その一言で、私の心にかかりはじめたもやが飛んでった。



私、先生の力になれたんだ。



それがこんなにも嬉しいことだとは思わなかったよ。




「うん・・・これからも、いっぱい聞くよ。先生の力になるよ」


「おぉ、ありがとう。いい奴だなお前・・・。あ、今度俺聞くから。どうぞ!」



先生がいい奴って言ってくれた。


嬉しい。



今度は、私の番。


先生に全部話す。



自分の弱いとこ、すぐ不安になるとこ・・・。



先生は受け止めてくれる。




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