それだけ ~先生が好き~


「なんで今頷いてたの?」


「あぁ、俺がなかなか職員室に戻ってこないから、多分確認しに来たんだよ。戸締まりもかねて」


「そっか・・・あ、会議とかあったの?」


「ないない、今日は。あーゆうチェックは体育教諭の暗黙の了解って感じなんだな」



ふーん・・・と納得した。


先生達もいろいろ大変なんだな。



「気をつけて帰れよ。またな」


「うん、先生もね」



先生と別れると、いつも寂しかったけど・・・今日は平気。



いろんなこと打ち明けたからなのか、不安な気持ちが無い。



先生が一番私のことわかってくれてる。




過去も全部好き。



何があったって愛してる。



あの悲しい目をしていた先生を忘れない。



ひきずることって、しょうがないのかもしれない。



ひきずってひきずって、そこで得られる気持ちを受け入れることも大切なんだ。



そこでまた、少しずつ歩き始めればいいんだ。



私も・・・頑張るんだ。





暗くなり始めた空のわずかな光に、先生への想いを誓った。






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