それだけ ~先生が好き~
昨日の英語の時間、いつものように3階の渡り廊下で男子とさぼってた城田。
3階にある3年生の教室は、学年集会で誰もいなかった。
城田以外の男子が、トイレに行ったときのこと。
バキって、すごい音がしたんだって。
当然城田は驚いて、音のした方へ目を向けた。
そしたら・・・
女の子が、ほうきを持って立ち尽くしてた。
学年カラーの名札が緑だから、2年生。
私達と一緒。
「そいつよく見たら、前に来た転校生だった」
城田はため息をついた。
転校生・・・?
「え・・・そんなことする子だっけ?すごいおとなしそうな子じゃない?」
「だから言えねーんだよ。最近よくさぼってるとき、あいつもさぼってるっぽかったし。なんか理由あんのかなって」
なるほど、と頷いた。
でも・・・本当にそんなことする子には見えない。
長い黒髪に、綺麗な瞳をしているのが印象的な子だった。
確か、名前が・・・
「水野だろ?あいつって、5組の」
さすが城田。
私の考えてることをすぐあてる。