それだけ ~先生が好き~



そうしてこの学校に通うことになったんだ。



最初だけは、みんな気にかけてくれた。


話しかけてくれた。


だけど・・・それは本当に最初だけ。


何も言わず、うつむくばかりの水野さんから、みんなは離れていった。



水野さんは、それでいいって思ってたんだ。



これ以上裏切りたくないから、関わらない。



そう心に誓っていたから。



それなのに、寂しくて仕方がなかった。



でも・・・それを気づかれないように、生きていた。




自分が分からなくなる。



何のために生きているのか。



自分が死んだって、誰も困らない。



誰も気づかない。





何も考えたくない。



誰とも・・・関わりたくなかったのに。








現れたのは、先生だった。








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