それだけ ~先生が好き~


体育があるたび、話しかけてくれた先生。



『学校はもう慣れた?』


『眠そうな顔してんな!!しっかりしろよ!』


そんなささいな会話が、気づけば水野さんの支えになってた。



だけど、わかってた。



関わっちゃ駄目。



関わって離れていかれるのが嫌。



そう思っているのに、先生に会えば会うほど止まらなくなる気持ち。





よくさぼるようになったのもこの頃から。




先生に会いたくなかった。



そして体育だけじゃなく、全部どうでもよくなってく。



一人になると、今まで自分のしてきたことが蘇ってきて・・・




全てを壊したくなった。




誰もいない教室に入り込んでは、机やらイスやらを投げ飛ばしてた。





もう、誰も傷つけたくないのに。




自分はいなくならなきゃいけないのに・・・




平気な顔して生きてる自分がたまらなく嫌だった。




< 186 / 522 >

この作品をシェア

pagetop