それだけ ~先生が好き~
体育があるたび、話しかけてくれた先生。
『学校はもう慣れた?』
『眠そうな顔してんな!!しっかりしろよ!』
そんなささいな会話が、気づけば水野さんの支えになってた。
だけど、わかってた。
関わっちゃ駄目。
関わって離れていかれるのが嫌。
そう思っているのに、先生に会えば会うほど止まらなくなる気持ち。
よくさぼるようになったのもこの頃から。
先生に会いたくなかった。
そして体育だけじゃなく、全部どうでもよくなってく。
一人になると、今まで自分のしてきたことが蘇ってきて・・・
全てを壊したくなった。
誰もいない教室に入り込んでは、机やらイスやらを投げ飛ばしてた。
もう、誰も傷つけたくないのに。
自分はいなくならなきゃいけないのに・・・
平気な顔して生きてる自分がたまらなく嫌だった。