それだけ ~先生が好き~
私は、頭がおかしくなってしまったのかな。
目の前にいる水野さんの顔がまっすぐ見れない。
たった今言われたその言葉に頭がついていかない。
なんで?
なんて、言った?
好き・・・?
「私ね、きっともう前から・・・好きだったんだ。でもそのとき初めてわかった」
身体が震えてるのがわかる。
だめだ、落ち着かなきゃ・・・
「こんな私にも・・・優しくしてくれたから。話を聞いてくれたから・・・おかしいよね、先生が好きなんて」
照れて笑う水野さんに、何か言わなきゃ。
頭が、真っ白。
だけど、からっぽな笑顔を向けて言った。
「そっか!良かったね。何かあったら私、また聞くから。それに・・・おかしくないよ。松戸先生、かっこいいもん」
なんて、ばかなんだろうね。