それだけ ~先生が好き~
「あ・・・あぁ、仲良くなったのか。そっか。俺、優しくていい先生だって?」
急に話題を逸らして、驚かせたみたい。
いつもなら、「いい先生とまで言ってないよ!」って肩を叩いて笑いあった。
だけど今日の私にはできない。
「うん・・・すごくすごく、いい先生だって。・・・よかったね・・・」
涙を隠すので精一杯。
早く教室に着いて。
先生に気づかれる前に・・・。
「どうした?何があった?」
何でもない、と小声で答えて、私は教室まで走った。
先生
先生、晴香がね、先生のこと好きだって。
私応援しなきゃね。
せっかく打ち明けてくれたんだから、応援しなきゃね・・・
ばかな私だから、うまく言えないかもしれない。
でもちゃんと言おう
先生に、さよならを