それだけ ~先生が好き~
私達のクラスから去っていく先生。
寂しいなぁ・・・。
「ゆーき!何見てるの?」
萌がいきなり私の机に走りよってくる。
「え?あ~・・・雨降ってるな~って」
苦し紛れのウソ。
だって先生を見てました、なんていえないよ。
「再来週から夏休みだねぇ!って、言っても・・・部活ばっかりだ!」
私達の所属する美術部は文化祭が夏休み後に控えているせいか、活動日数が多め。
でもそのおかげで先生に会えるかもしれない。
野球部の顧問の先生も、学校に来る日数がきっと多い。
「寝坊しそう・・・本当あっという間だね。早い!」
私は夏休みなんて楽しみなんかじゃない。
できれば学校にいたい。
家にいて辛い思いはしたくない。
だけどそんなことは萌に言えない。
一生懸命楽しみなフリをする・・・。
嫌。
嫌でしょうがないよ
怖くて
怖くて・・・