それだけ ~先生が好き~
「終わった?じゃあ行くか!鍵取って来るから先に相談室行ってて」
HRが終わって廊下に出てきた私を見て、真っ先に声をかける。
先生は気づいてる。
私の様子がおかしいこと。
だから余計明るく接してくれてるんだ。
先生は私のことなんでも知ってる。
私に元気がないとき、一番見たいのは元気な先生だから。
「・・・待ってないで鍵取ってくればよかったのに」
小声で呟くと、先生は
「飛んでくるって言ったろ?約束は破りません!!」
だって。
そっか。
約束したもんね。
「ほら!俺鍵取って来る間に心の準備しとけ」
鍵を取りに行った先生は、今何を考えてるんだろう。
心の・・・準備?
もう出来てるはずなのに。
先生の笑顔を見るたび、声を聞くたび崩れそうになる。
こんなんじゃだめだ
先生が好きだということがこんなに苦しくなるなんてね・・・。