それだけ ~先生が好き~
「ごめんなさい。全部私の・・・わがままなの。先生は何も気に病まずに、私を嫌ってくれていいから」
自分で言ったことに、心の中の自分が必死で抵抗する。
そんなの嘘
先生が私を嫌ったら生きていけない
いかないで
「嫌えるわけないだろ・・・何があったんだよ、どうして・・・」
最低な別れ方だと思う。
はっきりとした理由も伝えずに、自分勝手な気持ちばっかり言って。
だけど、こうするしかない。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい。本当に・・・」
頭を抱えて泣き出した私を、優しい腕が包む。
先生が抱きしめてくれてる。
これが最後なのかな。
もう・・・終わりなのかな。
「・・・お前がそうしたいんなら、そうする。でも俺は好きだから・・・。それだけは、覚えておいてな」
先生も泣いてた。
私のブレザーの肩におでこを押し付けて泣いてた。
私も先生のジャージの肩に涙の大きなしみを作った。