それだけ ~先生が好き~
「なぁ、俺のこと・・・まだ好き?」
涙で真っ赤な先生の目。
短い髪。
ひげが長い方がかっこいいと言った私の為に少し伸ばした、ひげ。
明日からは、ひげも剃ってしまうのかな。
「うん。・・・大好き。私もずっとずっと、大好きだよ」
「そっか・・・俺も大好きだから」
微笑んだその顔を目に焼き付ける。
明日からもう私だけの先生はいない。
特別な日々の終わりが見える。
二人で無理して笑いあってみた。
最後は笑って過ごしたいから。
「じゃあね、先生・・・」
もっと一緒にいたい。
ここを出たら、もう私は先生の彼女じゃない。
だけど、決心が崩れないうちに出て行かなきゃ。
パイプイスからゆっくり立ち上がる。
足がすくむ