それだけ ~先生が好き~



晴香の気持ちには、先生も気づいていたらしい。


だけど確信させたのは城田の言葉。




『何にも言わねーけど、あいつ水野に打ち明けられたんじゃねーの?松戸が好きだって。それで・・・応援する、とか言ったんだろうな』




「俺・・・本当なんで気がつけなかったんだろ。お前の気持ち考えれば、すぐわかったことなのに・・・」



先生はため息をついて、手で顔を覆った。


指の間から見えた目は・・・寂しい色をしてる。



「城田は、ちゃんとお前のこと見てる。何かもう・・・付き合ってたこととか知ってる前提で話してたよ」



ははは・・・って、元気なく笑う先生を心から好きだと思う。


なんで、先生は自分を責めるの?



いけないのは私だよ。



ちゃんと理由を伝えれば、こんなことにはならなかったんだ。



あんな辛い思いせずにすんだのに・・・。



「先生、ごめんなさい・・・私、言えばよかった。先生ならどんな理由でも絶対わかってくれるのに・・・」



「何言ってんだ!しょうがねぇよ、水野の気持ちを大切にしたかったんだろ?だか、言わなかったんだろ?それに気づけなかった俺のが悪いの!!」


私の頭に手をのせる。




好き


どうしてこんなに優しいんだろう



そのまま肩をひきよせられて、先生の腕に包まれて泣いた。







やっぱり私には先生が必要なんだ。








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