それだけ ~先生が好き~


ガラガラ・・・


「ちょっと暑いかもしれないけど、我慢して」


先生が電気をつける。


明るくなった部屋は、きれいに片付いていた。

大きい机が1つと、その周りにたくさんのイス。


「そのへんのイスに座って」


私は一番手前のパイプイスに座った。


先生は、私の隣のイスに座って、イスと体を私の方に向けた。


「・・・で、最近どうだ?」


ほお杖をついて先生は私を見ている。


「状況・・・あんまり、変わらない?」

「そうですね・・・あんまり・・・変わら・・・」



言葉が続かない。


昨日までのことが


頭を支配して


言葉が出てこない。



「・・・うっ・・・っ・・・ぇ・・・」


我慢していたものが全部流れていきそうだった。



全部・・・全部。


先生・・・


先生、今どんな顔してる?


ごめんね


自分が

自分が止められないよ

ブレーキがかからないんだ





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