それだけ ~先生が好き~
我慢
真正面から強い風が吹いてくる。
もう12月も後半。
首に巻かれた白いマフラーが、口元まで暖めてくれる。
職員玄関前の青いバイクを確認して、笑顔になる。
今日も来てる。
先生と仲直りをした・・・と言っても、特別変わったことは無い。
学校の中で二人で会ったりするのは、そんなに出来ない。
だから、学校に来ても先生の顔を見れるだけ。
それでいいんだ。
本当は、何時間でも話していたいし、ずっと隣にいたい。
でもそれはわがまま。
廊下を歩く先生や、体育を教える先生にドキドキする気持ちは変わらない。
まるで片思い。
だけど、ちゃんと気持ちは通じ合ってる。
「おはよ!!今日寒いね~」
振り向くと、晴香が階段を駆け上がってきてた。
寒いせいで、晴香の頬は赤くなってる。
「おはよ。晴香ほっぺ真っ赤だよ~!」
晴香は驚いて頬を両手で覆った。