それだけ ~先生が好き~




「失礼します・・・」





先生はいない。



いつもの席は・・・いつものダウンがかけてある。


少しがっかりして、鍵を取って職員室を出る。




ひとりで掃除・・・しなきゃ。




技術室は教室と同じくらい暖かい。



ほうきを取り出して、そこらじゅうに飛び散っている木くずを掃く。



一年生が本棚を作っているから、木くずの量はものすごく多い。





「これ・・・ひとりで出来るかなぁ・・・」





なんて、ため息まで出る。


ただただ地道に掃き続ける。





ふと、窓の外を見る。



技術室も、太陽が眩しいなぁ・・・。





んん??



窓の向こうに、大きい人影。






先生!!







< 267 / 522 >

この作品をシェア

pagetop