それだけ ~先生が好き~
「失礼します・・・」
先生はいない。
いつもの席は・・・いつものダウンがかけてある。
少しがっかりして、鍵を取って職員室を出る。
ひとりで掃除・・・しなきゃ。
技術室は教室と同じくらい暖かい。
ほうきを取り出して、そこらじゅうに飛び散っている木くずを掃く。
一年生が本棚を作っているから、木くずの量はものすごく多い。
「これ・・・ひとりで出来るかなぁ・・・」
なんて、ため息まで出る。
ただただ地道に掃き続ける。
ふと、窓の外を見る。
技術室も、太陽が眩しいなぁ・・・。
んん??
窓の向こうに、大きい人影。
先生!!