それだけ ~先生が好き~



もう嫌だ



自分は必要ないの?


私がいなくなっても、お母さんは困らない?


お父さんは、気づかない?


じゃぁ・・・いなくたっていいじゃん。


疲れたよ。


もう・・・嫌。



先生は、ポケットからハンカチを出して・・・

私の頬に押し当てた。


「ハンカチぐらい、持ってないの?」

「も・・・持ってるけど・・・」


もう先生が貸してくれてる。


先生、順番が逆だよ。



おかしい・・・



「ふふ・・せんせ・・・ありがとう」

私はハンカチで涙を拭った。

「そんなに辛い思いしてるんだったら・・・気づいてもらいたいよなぁ・・・」


先生は腕を組んで私を見る。


「本当に・・・本当に辛くなって・・・お前が駄目になりそうになったら、俺がお前の家行って親御さんに話しても良いんだよ」


えぇ・・・?それって家庭訪問??


でも嬉しい。

先生がそこまで考えてくれてるなんてね。

嬉しいよ。


「でもちょっと嫌だろ?俺がいきなり今井家に来るのは・・・」

「えぇ・・・う・・・うん・・・ちょっとびっくりだね」

「究極に・・・ほんとに辛くなったらの場合だから!俺は別に担任じゃないし・・・今井の家の人に嫌われたってかまわないんだしな」


嬉しすぎて

嬉しすぎて

涙が止まらないよ・・・


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