それだけ ~先生が好き~


「こんなもんでいいだろ。よし、教室戻っていいよ」



二人で掃除出来るなんて・・・夢みたい。


すっかり綺麗になった技術室。



「先生、ありがとうございます」


「いいよ、こんなの。また誰もいなかったら、言えよ」


技術室の鍵を閉めて、職員室に・・・先生と向かう。



「えへへへ・・・」



先生が隣にいることが嬉しい。

職員室に鍵を返しに行くだけなんだけどね。



「明日6組体育あったよな?海に走りに行くぞ~」


「えぇ~・・・やだなぁ・・・」


走るのが苦手な私は、この季節が苦手。

冬休み前にあるマラソン大会も・・・きつい。



「マラソン大会に向けて、冬休みまで体育はマラソンだな」



がーん・・・。



せっかく、窓際の席になったのに。


マラソンの練習は砂浜でやるんだ。


海に行っちゃうんじゃ、体育してる先生見れない!!



ちょっとショック・・・。



「まぁ頑張れって!!マラソンは呼吸法だよ。二回すって一回長くはく!」



先生にそんな顔されたら・・・頑張るに決まってる。


目を細めて笑う先生。



少しがっかりしたけど、私も先生と海に行って走れるってこと。



頑張ろ!!




< 270 / 522 >

この作品をシェア

pagetop