それだけ ~先生が好き~



「砂浜で転びそうになっててね・・・それが可愛くて可愛くて」



いいな。


今日はそんなことがあったんだね。



「そっかぁ・・・楽しかった?」


「うん!!ゴールに先生がいるって思うと頑張れたし。帰り道もいろいろ話してね」



私のいない時間。


先生はどんな風に過ごしているんだろう。


どんな風に笑ってるんだろう。


どんな話をするんだろう。


気になるよ。



でも、どうしてこんなに苦しいんだろう。



素直に晴香の言っていること聞いて・・・笑えないんだろう。


自分が悔しい。



みんなみんな優しくしてくれているのに。


私はどうして・・・可愛くないんだろう。



ちゃんと気持ちが通じ合っているのがわかってるのに、不安ばかり生まれる。



こんな自分になりたかったんじゃないのに。




こんなんじゃないのに・・・










私は、晴香になりたかったのかな












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