それだけ ~先生が好き~


なんとなく気持ちが沈む。

晴香のせいってわけじゃないけど・・・。



我慢しなきゃ。


先生に不満をぶつけたら、先生だって困るもん。


今はきっと忙しい。


職員室で見かけるたびにパソコンをいじってるし、会議はしょっちゅうみたい。


このぐらいの我慢なんともないって思えるぐらい、強くなりたい。





放課後の教室は、太陽が沈んでいくのが見える。


晴香に一緒に帰ろうと言われたけど、とてもそんな気にはなれなかった。


沈んでいく太陽をじっと見つめていると、涙が溢れてくる。



私のばか。


泣き虫。


このぐらい我慢だよ。



窓際の席だって・・・何の意味もなくなっちゃった。



グラウンドでは野球部が走ってる。


掛け声が聞こえてくる。


先生のいないグラウンドなんて意味がない。



はしゃいでいた自分が恥ずかしく思える。



太陽よりも速度をあげて、私の気持ちは沈む。




顔をうずめていたから、かばんには涙がしみこんでる。






こんな自分が嫌い






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