それだけ ~先生が好き~


「ただいま~。俺一位でゴールしたぞ!!」


満足げにTシャツで汗を拭く城田。

汗の量がすごい。



「すごかったじゃん、一位なんてさ。女子の囲まれ方もすごかったけど」



萌の言葉に笑いながら、私を見て微笑む。


「言ったとおりだったろ?」


「うん、おめでと。あ・・・ジャージありがとね」



私ははおっていたジャージを城田に渡す。


なんだかんだ、風が冷たかったから助かった。



「ジャージ役立った?俺は暑くて死にそうだったけど。あ~、泳ぎてぇ!!」



そう言って、海に向かって猛ダッシュしていく城田は、先生に見つかって追い掛け回されてる。



「海入ろうとしただろ~!ばか!!」

「ちげーって!!天然シャワーだって!!」



疲れているはずなのに、元気に走り回る城田はまたキャーキャー騒がれてる。


私は城田を追いかける先生を目で追う。



かっこいい。



冬休み、一気に楽しみになっちゃった。


参加は出来なかったけど、マラソン大会も楽しかったし。



会えるんだ。



好き。



遠くで笑っている先生の姿。



だけどきっといつも私のそばにいる。



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