それだけ ~先生が好き~
「今井!!」
職員室から飛び出した私を呼ぶ声。
振り向けば・・・微笑む先生がいた。
職員室のドアを閉めて、駆け足で近寄ってきてくれた。
放課後の静かな誰もいない廊下。
思わず抱きつきたくなる気持ちを抑える。
「いたいた・・・探してたんだぞ。お前教室にいないんだもん」
先生も、私を探してたの??
行き違ってたのかなぁ。
「私も探そうと思ってたんだけど、先生に職員室呼ばれちゃって。職員室にいるかなって思ったら・・・いなかったはずなんだけど、あれ?」
何で職員室から出てきたの?
私が見た時は絶対いなかった。
先生をどこかから見つけ出すのは、特技だもん。
「あぁ、ごめんごめん。俺いたけど、しゃがんでたから机に隠れて見えなかったのかも。立ち上がったらお前が出て行くの見えたから」
笑う先生を、何よりも愛しく思う。
やっと会えたぁ。