それだけ ~先生が好き~
今年は本当にたくさんのことがあった。
先生が私の悩みに気づいてくれたことから動き出した。
まさか、気持ちが通じ合うなんて・・・考えもしなかった。
今、隣にいられるなんて。
それまでに、いろいろあったけど。
悲しい思いも・・・たくさんした。
迷惑もたくさんかけた。
たくさんのごめんなさいと、ありがとうを先生に言いたかったんだ。
「先生、ごめんなさい、あと・・・ありがとう」
少し照れながら、先生の目を見つめて言った『ごめんなさい』と『ありがとう』。
先生は微笑み返してくれる。
まっすぐ見つめていると、言葉なんていらないように思える。
先生の大きな目が、私の涙がたまった目を見る。
それだけで、十分伝わる気持ち。
「今井・・・」
顔をちょっとだけ傾けて、少しずつ先生の顔が近づいてくる。
私の肩は、先生の両手にしっかりつかまれてる。
優しいキス。
唇が・・・そっとそっと触れ合う。
ちょっとだけ苦い、タバコの味。