それだけ ~先生が好き~
ベンチから降りて、景色を眺める今井を後ろから見つめる。
次にこうやって二人で出かけられるのは・・・いつだろう。
来年もこうして、ここで・・・
会いたいけど、出来なさそうだ。
来年はあいつも3年生。
受験が控えてる。
・・・あんまり話せなくなるなぁ。
頑張れよ、しか・・・言えなくなる。
寂しくなるな~・・・。
「お~い、そろそろ帰るぞ!!」
くるっと高速で振り向いて、よたよた走ってくる。
あ、転ぶぞ、そんな靴で走ったら!!
「先生~!!」
俺に思い切り抱きついて、甘えてくる今井は・・・最高に可愛い。
「・・・頑張ろうな」
長い坂道を下りながら、今日のシアワセをかみしめながら、家路に着いた。