それだけ ~先生が好き~
あのまま眠ってしまったようで、着替えてない。
・・・まだ4時じゃん。
お風呂も入ってない。
入ろ。
さすがにお父さんもお母さんも寝てるだろうから、そっとお風呂へ向かう。
シャンプーをいつもより念入りにする。
いちいちいろんなことをするたびに、何を言おうとか考えちゃう。
私は考えてばっかりで、いつもうまく伝えられない。
あんまり・・・考え込まないで、そのままを伝えたい。
「・・・よしっ!」
気合を入れて湯船から出る。
ちゃんと伝えよう。
城田が私のことを好きだろうが嫌いだろうが、先生を好きでいることは変わらないんだし。
もう戻れないよ。
戻るなんて・・・出来ない。
城田の気持ちにこたえることは、最初から出来なかった。
それは変わってない。
その事実を何よりも誰よりもわかっているのは・・・きっと城田自身だ。