それだけ ~先生が好き~


また緊張してきちゃった。


手に汗がすごい。



震える両足。




「・・・あ」




美術室前の廊下に着いたとたん、城田が振り向いて笑った。



「お前泣くだろうと思って、ティッシュ買ってきたんだけど忘れちゃった」



城田・・・


私だって、城田大好きだよ



一生そばにいてほしいよ



ねぇ、そうやって私を安心させようとしてくれてるんでしょ?



鈍感な私でも、わかるよ。




「・・・城田・・・ごめんね・・・」




涙を流しながら謝る私。


なんで謝ってるのかわかんないけど、ただただ謝った。


無意味な謝罪なんて、城田がしてほしいわけないけど。



迷惑たくさんかけて


たくさん助けてくれて


たくさん心配してくれて


そばにいてくれて



いつでも城田は、私のそばにいた。



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