それだけ ~先生が好き~


泣き出すと止まらない私のことも、城田は知ってる。


穏やかな顔で、私の言葉を待ってる。



「城田・・・あのね、私ね・・・知ってると思うけど・・・せ・・・先生と・・・」



小さい声で、城田にだけ聞こえるようにそっと話す。


うん、って頷いてくれる。



ありがとう






「・・・つ・・・付き合って・・・る」







そう口にした瞬間、私は城田の腕の中にいた。


私の頭の上に、城田の顔がある。



息できなくなるくらい、強く強く抱きしめられる。




「・・・そっか・・・よかったな。そっか・・・」




ぎゅうって、城田の胸に顔を押し付けると、香水の香りがする。


私の知らないところで、城田はどんどんかっこよくなっていってた。


それが誰の為だったのか、私は知らずにいた。



「頑張れよ。辛いことあったらすぐ言えよ・・・俺がいるから」



顔を上げられない。


城田に包み込まれていて、身動き取れない。


目を見てありがとうが言いたいのに・・・。





「だけど・・・ごめん。・・・やっぱまだ好きだ」





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