それだけ ~先生が好き~
うん
知ってるよ。
簡単に好きなのはやめられないよね。
だけどどうして城田は私を好きなんだろう。
こんなに先生先生ばっか言ってて
迷惑ばっかかけてて
城田に言い寄ってくる女の子・・・いっぱいいるらしいし。
抱きしめられた身体は、離れようとするのに、すぐつかまる。
「だめだよ・・・城田・・・!」
目の前にある大きな胸を叩く。
「ごめん・・・わかってるけど・・・好きなんだよ」
力強い声。
男らしい・・・低い声。
私の知っている城田じゃない。
もっとずっと男になってる。
「お前じゃなきゃだめなんだよ・・・今、顔あげんなよ、絶対あげんなよ!」
「・・・なんでぇ?」
沈黙が流れたその後、食べてしまうのかと思うぐらい私の耳の近くに唇をよせてささやいた。
「・・・キス・・・したくなるから」