それだけ ~先生が好き~
2章 夏の空、陽射し
タバコ
始まった夏休みは・・・
思ったより、辛くなかった。
始まってすぐは部活の連続で、家では先生のことを考える。
それで乗り切ろうと思った。
夏の空は真っ青で・・・白い雲はつかめそう。
空を見ると、先生を思い出す。
だって、先生のバイクは青だから。
職員玄関の前にとまるそのバイクを見るたび、
『今日も来てる』
って確認しては嬉しくなる。
バイクがとまってない日は、出張とか・・・お休みとか。
先生がいない学校は・・・つまらないんだ。
今日は、夏休み始まって4日目の部活。
今日も野球部の活動はあるみたい。
先生の顔が見れますように・・・と、毎晩願う。
「失礼します・・・」
部活に一番乗りに来た私は、職員室に鍵を取りに行く。
期待してた。
一番手前のあの席に、先生がいることを・・・。
あ、
いた。
自然と笑顔がこぼれそうになる。
先生と目が合った。
「おはよう」
「おはようございます・・・」
そう言うと、先生は、
「今日は思いっきり寝起きの顔だな~」
「え・・・え!?私、7時起きですよ・・・」
たったそれだけの会話。
いいんだ。
先生が挨拶してくれたんだもん。