それだけ ~先生が好き~
「お~い、何だよ、どうしたぁ?」
涙をぼろぼろこぼす私を、教室に入れる。
ドアを当たり前のように閉めてくれる。
「お前待ってたんだぞ、朝紙袋持ってたから・・・期待してさぁ」
机の上によっかかって、腕を組む先生。
「久々に、じっくり話そうか」
うんうんって、ただ頷く。
手に持っているチョコを・・・先生に差し出す。
「これ・・・昨日ね、・・・作ったから、あのね・・・」
泣きすぎて、言葉がつながらない。
先生は穏やかな顔で待っていてくれる。
「・・・好きです・・・」
ありきたりな
なんのひねりもない
言葉だけど
これが私の全部
先生が好き