それだけ ~先生が好き~
並んで座って、放課後の校庭を眺める。
野球部がキャッチボールしてる姿が見える。
「あんまり時間とれなくてごめんな。今日はゆっくり話せそうだから・・・」
近くの机に頬杖をついて、校庭を見る先生は・・・夕日で眩しい。
「ううん・・・しょうがないよ、先生忙しいのわかってる。でも・・・いろんなことあったよ」
声が震える。
先生は、こっちに身体を向けた。
あの日のことが目に浮かぶ。
「城田に・・・言ったんだ。知ってたみたいだけど、直接言ったことなかったから。先生と・・・付き合ってるってこと」
涙が落ちそうなのを我慢する。
まだ駄目。
ちゃんと話し終えてから出ないと・・・
止まらなくなっちゃうから。
「そしたら・・・ぎゅって、されて・・・」
先生は、頬杖をやめて、私の肩に手を置いた。
こんな仕草が、いつも私を支えてくれる。
「好きだって、言われた・・・」