それだけ ~先生が好き~
「そうかなぁ・・・」
私も、城田に何かあげられたかな。
先生のジャージの裾を引っ張ってみる。
先生と話していると、笑顔になれる。
細めた目の隙間から、涙がこぼれる。
こうやって先生と夕日を眺めたことも
これからきっと毎日思い出す。
「そうだよ。俺だって、今井が頑張って授業うけてると元気出るよ」
優しい笑顔で、髪を撫でてくれる。
「えぇ~?そうなの・・・?」
「これから・・・またあんまり話せなくなるなぁ。寂しいけど、頑張れる?」
先生はそう言って、私の手を握る。
私は、当たり前のように頷く。
「頑張れるに決まってるじゃん、もうすぐ3年生になるんだよ。我慢できるもん」
「そっか、もう3年生かぁ・・・受験生じゃん!」
こんなに、先生が近くにいる。
今は、私だけの先生だと思いたい。
「あ、さっきの告白の返事・・・」
先生は、チョコを右手に、私を抱きしめる。
「俺も、今井が好きだぁ!」