それだけ ~先生が好き~
6章 寂しい両思い
嫌な現実
3月の夜は、いつもベッドの中で祈ってた。
先生のクラスになれますようにって。
そうして、裏切られた期待。
それでも大丈夫でいられたのは、先生が体育の授業担当の先生だったから。
今年も当たり前のように、先生が体育を担当してくれると・・・思ってた。
「え~、みんなもう知ってると思うけど、今年からみんなの学年は7クラスに増えます」
体育の授業の、いつもの先生のお話。
くだらないこと言ったり、真剣に話したり・・・いつも楽しみだった。
7クラスに、増えるってうわさは知ってた。
1、2、3組は、教室が2階で、4、5、6、7組は教室が3階になるらしい。
だから、先生が担任にならなくても、教室のある階が違ってしまえば・・・廊下を歩く先生を見られなくなってしまうかもしれない。
それが怖かった。
だけど、先生の話にはもうひとつあった。
「それで、体育は週に2時間なので、俺一人じゃ担当しきれないので・・・もう一人の先生が担当するクラスもあると思います」
みんなが騒ぎ出す。
私は、頭が真っ白になる。
今まで当たり前だったことが
当たり前じゃ・・・なくなる