それだけ ~先生が好き~




『え~、今年も1組の担当になりました、松戸です』




2年生の担任の発表も終わり、3年だけが残って、担当の先生の紹介。



先生は、なんとなく1組だと思ってたけど。


たくさんの問題児がいるし・・・ね。



『えっと、みんな知ってると思うけど、体育をまた1年間担当します。担当するクラスは・・・どこだっけ、あとで聞いてください』



みんなは、「え~!?」とか、「今教えて!!」とか、必死。



そうだよね。


先生は、人気者だから。




『え、じゃあ、ちょっと待って・・・あぁ、えっと、1組、2組、4組、5組を担当します。それと、去年に引き続き生活指導も担当します』



先生は担当のクラスがかいてあるらしい紙を読みながら、それだけ言った。



私のクラスは・・・当然だけど、呼ばれなかった。



それが当たり前。




当たり前なんだよ・・・。





大丈夫





私には、ちゃんと先生がいるでしょ?


離れてしまっても、それは変わらないでしょ・・・?





その後、何を考えていたか・・・覚えてない。



ただ、時計の針を見つめていた気がする。



時間が過ぎるのを、残酷に感じていた気がする。




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