それだけ ~先生が好き~



家に帰ると、まだ誰も帰ってなくて・・・暗かった。



自分の部屋に入ると、我慢していたのか何なのか、ただ涙があふれた。


悲しくなんかない。



先生がいなくなったわけじゃない。


二度と会えないわけじゃない。



それに、先生は1組で、私は3組。



同じ階だよ。


毎日、廊下を歩く先生だって見られる。



自分の中に、自分が二人いる気がする。



ひとりは、わがままに、ただ先生を愛する素直な自分。


もうひとりは・・・その自分を押し込める、意地っ張りな自分。



どっちが、本当の私なの?


私、悲しいの?

悲しくないの?



どっち?



わかんないよ




自分が見えないよ




ベッドに顔を押し付けて、あふれる涙をしみこませた。



ただただ、大声で泣いた。



これが・・・本当の自分なの?




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