それだけ ~先生が好き~
悠は心配して何度も何度も戻ってきてくれた。
そのおかげで、少し楽になった気がする。
新幹線はあっという間に目的地に到着した。
こっちは暑くて、みんな半袖になってる。
バスまで移動する間、先生は先頭を歩いてた。
これからバスで学年で見学。
私達のバスガイドさんは若い女の人で、先生のクラスも綺麗な人だと、晴香がメールで報告をしてきた。
『先生一番先頭に座るからバスガイドさんと話してて寂しいよ~!!』だって。
複雑な気分。
やっぱり私は話すことすら出来ないのかなぁ。
覚悟はしてたけど、ちょっと残念なような・・・。
しょうがないかぁ。
バスを降りると、たくさんの観光客でにぎわってて、迷子になりそう。
「あ~!あれ、教科書のまんまじゃん!!すげぇええ!!」
悠が感動するのもわかる。
本当に・・・歴史の教科書で見たものが目の前にあるんだ!
少しは嫌な気持ちも忘れていられそう。
みんなでたくさん写真を撮った。
顔を認識してくれるデジカメなのに、なぜか私だけ認識されなくてみんなに爆笑された。
「なんで~!?印象うすいのかなぁ~」
こうやってみんなで笑うことも、楽しい。
たくさん思いで作ろうっと。