それだけ ~先生が好き~
「顔色、めちゃくちゃ悪いぞ。岡田たち先行っちゃったのか?」
岡田は、悠のこと。
城田の左肩は、私に傘を差し出しているせいで濡れてる。
「うん、私がもたもたしちゃってさ・・・あはは」
もうほんと、笑うしかない
ばかだよね
頑張らなきゃ頑張らなきゃって思うほど、だめになってくんだもん
おかしい
現実を嘘だ嘘だと思ってばかりで
ほんとだめだね・・・
迷惑かけてばっかで
「ごめんね・・・ほんとに・・・ごめんなさ・・・い・・・」
涙がこぼれそうになった。
泣くな
我慢しなきゃ
泣いてばっかりいられないんだよ
腕で目をこすって、涙を止めようと必死の私を、城田は強く肩を抱き寄せる。
いつからこんなに力強くなったの?
みんな大人になっていくのに
みんな進んでいくのに
私はずっと止まったまま