それだけ ~先生が好き~


7階は、主に先生達の部屋がある。


だから私はまた心のどこかで先生に会えることを期待する。



「あぁ、今井さん、やっと来た。遅かったね」


ドアを開けると、保健の先生が荷物の整理をしながらこっちを向いた。


「すいません、みんなで八つ橋食べてた」

「あはははは、部屋に置いてあったやつ?おいしかった?」



この部屋で今日寝るのかなぁ。

みんなで夜起きてたかったのに。



「お風呂、そこね。疲れているだけだろうから、今日ゆっくり寝てね。何かあるといけないからここで寝てもらうけど・・・明日はみんなと寝られると思うよ」


「そうですか・・・よかったぁ」


「やっぱり、なんだかんだ言われても修学旅行の醍醐味ってやつだよね、夜の女子の恋バナは!!」



保健の先生は、係りの会議に行くといって、私を残して部屋を出た。


何かあれば周りの部屋の先生に助けを呼べと言われたけど・・・


先生の部屋は、すぐ隣。


何かあれば、すぐ聞こえる。


先生の声聞こえないかな。


なんて、変態??



お風呂に入る準備をして、布団に転がる。



今頃、みんな何してんだろ。


まだ八つ橋食べてるかなぁ。



ぼんやりしていると、隣の部屋で物音と話し声が聞こえてきた。



先生・・・と、学年主任の先生の声。



何を話しているのかはわからないけど、先生の笑い声、よく聞こえる。



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