それだけ ~先生が好き~


「俺がお前から離れていくと思う?」


「わかんないよ、先生どっか行っちゃうかもしれない」


ひねくれた返事をしたを優しく優しく抱きしめてくれる。



「そばにいるよ。ずっと・・・な。寂しくなったらいつでもおいでって言ったろ?」



そう言って、私のおでこをつつく。


好き。

好き好き、好き。



「先生好き。ずーっとずーっと大好きだからね」



あふれる想いを聞いた先生は、にやにやしながら天井を見上げる。


「お前、俺をおかしくさせたいの?」


前髪を、大きな手で掻き分けられて・・・小さくキスした。


久しぶり。


先生のキスで、私はゆでだこ状態。


寝癖でぼさぼさの髪も、先生が撫でると愛しく感じる。



「帰ったら、すぐ話そうな。そんでいっぱい泣け!思う存分甘えろよ」



最後にぎゅう~って抱きしめられて、先生とバイバイした。


水は、先生のせいであったまっちゃった。



おでこのキスは、まだ熱い。



遠ざかる後ろ姿に、また好きと呟く。



遠いけど


いつも近くにいてくれてるわけじゃないけど



先生の優しさ


先生の気持ち



ちゃんと伝わる




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