それだけ ~先生が好き~
不安だらけ
部活が終わって、職員室に日誌を置きに行った。
先生は職員室にはいなかった。
きっと、待ってるんだ。
1組の教室で、私を待っててくれてるんだ。
昨日は泣かなかったよ。
だけど不安でしかたなかった。
先生に会いたくてしかたなかった。
階段を上る足取りも、緊張してる。
やっと話せるね。
二人きりで、本音を言えるね。
あ・・・
先生だ。
廊下に置いてある待機用のイスを片付ける先生。
あ、気づいた。
片付ける手をとめて、こっちを見てる。
私はちょっと早足で駆け寄る。
「面談終わったよ。お前待ってた」
「うん。えへへ、久しぶりに先生とお話だね」
「ははは、そうだな。ゆっくり話そうな。遅くなってごめん」
申し訳なさそうな顔で謝る先生が、ドアを開ける。
面談用にセットされてる机に、本当に面談みたいに向き合って座る。
緊張しちゃうよ。
先生が大好きだって気持ちが
あふれてくる。