それだけ ~先生が好き~


何も話し始めない私を先生は待っていてくれる。



「な・・・何から話せばいいか・・・わかんない・・・」



震えて、うまくしゃべれない。


考えないようにしていただけに


思い出すと


かなりショックが大きい。



どうしよう


先生


怖いよ


本当は


怖くて怖くて・・・


平気なんかじゃない




「いいよ。ゆっくりでいいから、全部話せ。全部聞くから」




先生


こぼれ落ちる涙が


本当に多くて


びっくりする



大好き


私本当に先生が大好き



「・・・あのね・・・修学旅行の・・・前にね」



思い出す


あの日


ただの紙一枚で




どれだけ恐怖に陥ったんだろう




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