それだけ ~先生が好き~


自分でやっといて、恥ずかしくなる。

先生はにやにやしながら、今度は私の目元にキスする。


「何味だった?」


そんな質問・・・

初めてされた。



「先生の味した」


「ははは、何それ。って、俺も同じようなこと言ったけどな」


笑顔を取り戻した私を、先生は嬉しそうに見つめる。



「泣きたい時は・・・いっぱい泣け。俺はいつでも話聞くよ。なんせ、彼氏だからさ」


「えへへ・・・うん。嬉しい。でももうすぐ夏休みだから、会えないね・・・」



先生はその言葉を聞いて、ポケットから紙を取り出した。


その紙を私の目の前で開いてみせる。



電話・・・番号?



「俺部活でちょくちょく学校来るし、お前も来るだろ?そんときはそんときでいいけど、やっぱ会えない日もあるから・・・電話!」



「え・・・いいの??」



卒業してからって言ってたのに。

本当に、いいのかな・・・。



「おう、何か話したくなったりしたらいつでもかけろ」



やったぁ。


先生の電話番号だぁ・・・。



メアドも教えようかと言われたけど、それは卒業してからにしてもらった。



今は電話だけで十分。


声が聞こえるだけで嬉しいよ。



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