それだけ ~先生が好き~
正直、進路について私はなめていた。
簡単に・・・適当にどうにかなるものだと思っていた。
でも、実際受験生になってみると・・・
自分の成績や、その学校の特色、方針。
そういうものがとても大事になってくる。
簡単に決めていいなんてことはなかった。
だから晴香に言われたとき
晴香に私の考えを見透かされていたようで、恥ずかしかった。
確かにそうなんだ。
私は受験を甘く見ていた。
自分の人生のたった一点の通過点だけど、そのために今は頑張らなきゃいけない。
そのまま・・・私は晴香と話す機会がない。
ごめんね、を言いたかったのに、晴香はよく先生と話をしていて・・・
割り込む勇気はない。
謝ることじゃないけど・・・
謝っておきたい。
クラスに一冊ある進路情報の分厚い本は、よれよれになるほど、みんなが読みまわしている。
中には蛍光ペンでしるしがつけてあったりした。
私は・・・
私は、どうすればいいのかな
行きたい高校なんて、見つからないよ。
どこだって同じだと思っている自分がいる。