それだけ ~先生が好き~



そうやって悩むことが多くなった。



先生は大丈夫だと言ってくれる。


最終決断なんて、願書提出しにいくまでに決めればいい、だって。


焦って決めてもいいわけないよね。


帰りのHRが終わった教室で、進路情報の本をめくりながらぼんやり考えてた。



晴香・・・1組にいるかな。


いたら、謝ろうかな。



HRが終わったであろう1組は、みんなほとんど帰ってる。


帰っちゃったかな・・・




諦め半分で、1組の教室を覗く。




「せんせ~!見て、テスト超できたんだよ!」



覗こうとして、私は顔を引っ込めた。


晴香の声。


先生・・・ってことは、先生もいるんだ。



「すごいじゃん。成績楽しみだな」


「うん。私絶対合格するし!」



先生


先生は、やっぱ嬉しいのかな


嬉しいよね


自分のクラスの生徒が


自分で決めた進路に向かって、頑張っている姿を見るのは。




私・・・ぐずついてるだけなのかも。




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