それだけ ~先生が好き~
帰りに、1組の前で萌を待っていたら・・・晴香が教室から出てきた。
目が合った。
私はびっくりして・・・目が逸らせない。
何か、言わなきゃ。
「はる・・・」
「せんせ~!前期の日って、学校来るっけ?」
・・・え・・・?
どうして・・・?
私の声、聞こえなかった?
振り返って先生のいる教室へ戻っていった晴香の後ろ姿を・・・
じっと見つめている勇気は、なかった。
聞こえなかったのかな
そうだよね
晴香が無視するわけない・・・
うつむいて、泣きそうになる自分に言い聞かせる。
違う
違うよ、私。
晴香は無視したんじゃないよ。
・・・泣くな。
泣いたらだめ。