それだけ ~先生が好き~
「お前らがもしこのまま、卒業していって・・・高校生になって、もし偶然会ったら、『久しぶり!』とか言えるよ。いつか必ずな」
「そうかな・・・」
「そうだよ!そんなこともあったねって、笑えるようになるよ。だから勇気出せなくても心配するな!大丈夫だよ」
先生は、私の目をじっと見る。
何度見つめられても恥ずかしくて・・・でも見つめ返してしまう。
オレンジ色の夕日が私達を照らす。
先生がまぶしそうに眉間にしわをよせるから、笑っちゃった。
「あ、笑った」
「えへへ・・・先生がかっこいいから」
「元気出た?」
「うん。先生大好き」
「俺もお前好き」
きょろきょろと周りを見回して・・・
誰もいないのを確認する。
萌も、まだ来てない。
「誰もいないよな・・・みんな帰っただろうな」
優しく・・・ほっぺにキスをしてくれた。
それだけで、私真っ赤になるんだよ。
「卒業式の後は、唇にしようか」
「うん、久しぶりにね」
こんな約束もして・・・
先生は笑う。