それだけ ~先生が好き~



「お前らがもしこのまま、卒業していって・・・高校生になって、もし偶然会ったら、『久しぶり!』とか言えるよ。いつか必ずな」



「そうかな・・・」



「そうだよ!そんなこともあったねって、笑えるようになるよ。だから勇気出せなくても心配するな!大丈夫だよ」



先生は、私の目をじっと見る。


何度見つめられても恥ずかしくて・・・でも見つめ返してしまう。



オレンジ色の夕日が私達を照らす。



先生がまぶしそうに眉間にしわをよせるから、笑っちゃった。



「あ、笑った」



「えへへ・・・先生がかっこいいから」



「元気出た?」



「うん。先生大好き」



「俺もお前好き」



きょろきょろと周りを見回して・・・


誰もいないのを確認する。


萌も、まだ来てない。



「誰もいないよな・・・みんな帰っただろうな」



優しく・・・ほっぺにキスをしてくれた。


それだけで、私真っ赤になるんだよ。



「卒業式の後は、唇にしようか」



「うん、久しぶりにね」



こんな約束もして・・・


先生は笑う。




< 463 / 522 >

この作品をシェア

pagetop