それだけ ~先生が好き~



教室では、みんなが泣いていた。



きっとみんな今までの思い出を思い出しているんだ・・・。



この後に最後のHR。


そして、外で1、2年の花道を通る門出・・・。




担任が来るまでは、みんなでしゃべったり、メアド交換したり。


他のクラスの人もみんなごちゃまぜで・・・楽しい時間。



萌と城田が、廊下で私を待っていてくれた。




「萌~・・・!!やだやだやだ、卒業したくない・・・やだよぉ」


「やっぱりゆきは泣いたかぁ!まぁ、愛する人がいるからね~」



「つか、俺入れてくれよ!・・・俺、一応愛する人と離れ離れなんですけど」


抱き合っている私と萌の間に腕を振り下ろして、引き離す。



「城田・・・本当にいろいろごめんね」


「そうだな~、いろいろあったよな。ま、高校行ったら彼女ぐらいできるだろーから、それまでは好きでいさせろよ!」



照れながら・・・私の頭をぐしゃぐしゃにする。



「お~!!城田最後の告白??やるじゃ~ん!!」


「うるせーなぁ!!お前は黙っとけ!!!」


「あんた門出のときファンがやばいんじゃないの?告白ラッシュ!」



三人で笑いあった。


涙が・・・止まらないまま。




写真、いっぱい撮った。



それぞれ違う高校に進む。


春から、もう同じところに通うことはなくなる。





< 498 / 522 >

この作品をシェア

pagetop